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我が横道を往く in 山梨⑧【栖雲寺】冬でも見事な枝ぶりを堪能できるしだれ桜

旅行記
栖雲寺

「廣蔵院」の巨岩に圧倒されたワタシは、少々ぼーっとしたまま次の目的地である「栖雲寺」を目指す。
ただ、「何気ないところに何かがあるかもしれない」という好奇心はビンビン。これがこの日の散策の方向性を決定づけることになろうとは…。というか、好奇心旺盛なのはいつものことなのだけれども。

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石造りで武骨な雰囲気が漂う成沢の「天満宮」

国道140号に出たワタシは1本東側の、笛吹川沿いの道に入る。
マップアプリの某先生の指示では南下しなければならないのだが、ちょっと北上したところに「天満宮」があることが判明。さっそく寄り道してしまう。

【天満宮】基本情報

天満宮
■住所:山梨県山梨市牧丘町成沢
■主祭神:菅原道真

このあたりは国道140号から笛吹川に向かって下り斜面になっていて、ワタシが歩く道は斜面の途中にあった。
片側が斜面の道をしばらく進むと、国道側の一部に開けたところがあり、そこに「天満宮」がちんまりと収まっていた。
三富上柚木にあった「天満宮」がいかにも村のお宮といった風情だとしたら、こちらは石造りで豪壮そのもの。
祠が木々に埋もれてしまわないように周りの木が伐採されていて、今も地元の方々が大切にしていることがわかった。

祠のそばには道祖神も。

成沢の「天満宮」に向かう際には気づかなかったのだが、道の国道側にある茂みの中に小さな石碑がひっそりと立っていた。庚申塔のようだが、実際にこちらの石碑がなんなのかはわからずじまいだった。

成沢あたりになると山あいを抜けて塩山の町が近くなってきているせいか、民家の数も少しずつ増えてくる。途中で敷地内に土蔵のある民家を見かけたのだが、その土蔵の軒下には家紋ではなくおたふくが。初めて見る光景にちょっと笑ってしまった。

「天満宮」の南にある石碑。
周りは茂みで石碑は目立たず。
軒下のおたふく。
成沢の景色。火の見櫓があり。

道はやがて集落を抜け、両側に木がうっそう茂る地域に入る。
マップアプリの某先生によると、この先に「見晴園」というところがあるらしい。名称から察するに、笛吹川を見下ろす眺望が見事なエリアが公園のようになっているのでは…そんな期待を胸に抱く一方で、こんなところに公園なんてあるのかという疑問も感じつつ、ワタシは歩を進めた。

軽い下り坂をしばらく進んだところで、笛吹川の流れる側にわずかに開けたところを見つける。某先生を確認すると、どうやらこちらが「見晴園」らしい。さきほどのワタシの予感はどうやら後者のほうが当たっていたようだ。笛吹川は見えないし、こちらはそもそもなんの施設なんだろう…?
結局、こちらを少し探索した際、何かの植物の殻が服に引っつき、えらく往生しただけで終わった。

「見晴園」と思しきエリア。
笛吹川があるはずの方向の景色。
管理していた頃の名残か…。

道端に火の見櫓とともに立つ「金山宮」

ワタシが歩いていた道はやがて国道140号を離れるとともに、ほぼ起伏のない平坦な地域になっていく。
背後には山並み、前には平地が広がり、そのずっと先には再び山並みが続く。つまり、甲府盆地に入ったわけだ。そして、目の前には富士山が! この日は快晴で富士山がきれいに見える。

もし今「展望の社 差出磯大嶽山神社」に行ったら、鳥居の向こうにしっかりと富士山が見えるだろうなぁ…と思い、念のために「展望の社 差出磯大嶽山神社」までの所要時間を調べると2時間ちょっと。さすがに寄り道好きのワタシといえども、すぐに諦めた。

「見晴園」のあったあたり。
山並みの向こうに富士山がぽっかりと。
なんだかえらく見事だぞ…。

その後、山梨市から甲州市に入り、下柚木橋で笛吹川を渡る。
橋を渡って東にしばらく進むと山梨県道213号 下荻原三日市場線にぶつかるのだが、ワタシが目指す「栖雲寺」がある道はもう1本東の山側。このあたりはまだ山の緩やかな斜面が残っていて、道と道の間に林も広がっている。そのため、「栖雲寺」のある山側の道に出るために北上して、少々遠回りしなければならなかった。

下柚木橋。かなり狭い。
このあたりの笛吹川は流れが穏やか。
下柚木橋の北にある道祖神。

途中、「これぞマップアプリの某先生!」という細道に案内され、「栖雲寺」のある道に抜ける。あとはしばらく南下すれば「栖雲寺」にたどり着くところまで来た。お寺の手前には「金山宮」という神社があるとのことで、そちらにも寄ってみることにする。

【金山宮】基本情報

金山宮
■住所:山梨県甲州市塩山下柚木

「金山宮」の拝殿。

「金山宮」は火の見櫓を従えるように道端に立っていて、付近の集会所といった雰囲気だった。
山梨県内には「金山神社」が点在しているほか、甲州市内には黒川金山もある。「金山宮」はこのどちらかと関係があるのかもしれない。

拝殿の裏にある本殿や末社。
拝殿近くにある石仏。かなり古い。
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のどかな「栖雲寺」では春になるとしだれ桜が…

「金山宮」でお詣りしたあと、ワタシは再び道を南下。しばらく歩くと、東のほうに赤い屋根が見えてきて、マップアプリの某先生がそちらに曲がるよう指示してくる。そこは細い道で、あとでこの記事を書く際に某先生のストリートビューを確認したところ、道を挟むようにバス停と小さな石碑が立っていた。
細道を進むこと約数分。やがて「天龍山 栖雲禅寺」と刻まれた立派な石碑が立つところにたどり着く。

実はこの石碑のすぐ近くに「栖雲寺」の案内板があった。こちらの案内板は錆びがかなり浮いていたのは覚えているのだが、写真を撮るのをすっかり忘れてしまった。バス停そばの石碑といい、「栖雲寺」では気づかなかったことや写真の撮り忘れが多い。ここまで2時間ほど歩きつづけていたので、さすがに疲れていたのかもしれない。

【栖雲寺】基本情報

天龍山 栖雲寺
■住所:山梨県甲州市塩山下柚木
 180

■宗派:臨済宗妙心寺派
■本尊:阿弥陀如来
■駐車場:あり
■電話:0553-33-6495

「栖雲寺」の参道の入り口に立つ石碑。

鎌倉時代の末期に夢想国師が開山したといわれる古刹。鎌倉時代の応長元年(1311)、夢想国師が四方遍参の途中で、現在の栖雲寺の寺域内にあった僧悟屋敷というところに草庵を結んで閑居しようとしたという。夢想国師が禅学修行を重ねたこの道場跡は龍山庵といい、のちに里の人々に下柚木郷に移され、改めて栖雲寺とされた。明治時代初期、夢想国師の禅風を慕う美濃虎渓山王潭海大和尚が来山して、栖雲寺で修行。本尊である木造の阿弥陀如来と両脇侍は鎌倉時代末期の作品とされ、市の文化財に指定されている。

「栖雲寺」は春になると見事なしだれ桜が咲くようだが、ワタシが訪れたのは12月。さすがにつぼみすらなかった。ただ、境内を覆うように枝を広げた姿は、春はさぞきれいな姿を楽しめるんだろうなぁと思わせるものがあった。

こちらの「栖雲寺」は「山裾にひっそりと佇む」という形容がぴったりな、のどかな雰囲気に包まれたお寺だ。参拝者を包み込むように咲くしだれ桜をそっと愛でながら、ゆったりとした時間を堪能する…そんな贅沢を味わえそうだ。

ちなみに、甲州市には他に「天目山 栖雲寺」がある。
もうひとつの「栖雲寺」はJR中央本線・甲斐大和駅から山を登った先にあり、見事な石庭や武田家とゆかりが深いことで有名だ。ただ、今回ワタシが訪れた「栖雲寺」と縁があるのかまではわからなかった。

境内にあるしだれ桜。
枝ぶりだけでも見事さを実感できる。
参道入り口にあった古い石碑とお地蔵さま。

「栖雲寺」の境内にはベンチがいくつか置かれていたので、ワタシはこちらで15分ほど休憩。
一方で、ワタシの頭の中は以下のように高速回転していた。
「今はまだ11時30分。前に行けなかった上条集落まではここから2時間ほど。集落を散策してから帰っても、17時くらいには塩山駅に着けるだろう。なかなかいい計画じゃないか、ムフフフフ…」
この段階で当初考えていた「慈雲寺」は候補から脱落。この男、ちょっと心配になるくらい気ままなヤツのようである。

「栖雲寺」近くで見かけた柿。仲よさそう。

【廣蔵院~栖雲寺 散策マップ】

「我が横道を往く in 山梨」一覧

①【法蔵寺】延命地蔵尊とともに刻みつづける悠久の歴史
②【展望の社 差出磯大嶽山神社】時の流れを感じさせる景勝地

③【霊岩寺】山裾にひっそりと佇む本堂、その奥に残る岩窟で…
④【食事処みはらし】懐かしい雰囲気の食堂で昼食を
⑤【稲子沢】7年の月日を感じさせる景色の変化
⑥【一之橋館】懐かしい「おばあちゃんち」でのんびりとした時間を
⑦【廣蔵院】境内の奥にある巨岩に息を呑む
⑧【栖雲寺】冬でも見事な枝ぶりを堪能できるしだれ桜

(お出かけ日:2025年12月14日~12月15日)
※各情報は2026年1月時点のものです。

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