この日は対戦相手が読売ジャイアンツだったため、試合開始30分ほど前に球場へ着いたワタシは、席の確保は微妙かも…と思っていたが、三塁側上段の端にかろうじて席を確保できた。
ただし、この席が空いていた理由がすぐにわかる。なぜなら、この席のすぐそばにマリーンズのベンチがあり、それがちょうどバッターボックスを隠してしまうのだ。かといって三塁側には他に空いている席はないし、今さら一塁側に移動しても席を確保できるとは思えないので、こちらで観戦することにする。
無料の客席でグラウンドレベルの臨場感を味わえる!?
久々にロッテ浦和球場の席に座り、改めて思ったのがグラウンドの近さ。他の二軍球場もグラウンドとの距離は近いのだが、ロッテ浦和球場は別格だ。
これは客席の高さがグラウンドと近いからだと思う。高さがここまで近い球場はメジャーリーグではよく見かけるが、国内ではたとえば東京ドームのエキサイトシートといった高価な席に限る。そのくらいロッテ浦和球場の客席は臨場感があるのだ。
ただし、ネットの枠が意外と太いため若干観づらく、打球を見失ってしまうことがあるのが難点だろう。
これだけグラウンドが近いと、まさに選手が目の前を行き来するような感覚だ。
試合前のちょっとしたひとときにには、アンディ・マーティンが最前列のファンと「今日は暑いね」と簡単な英語で話をしている光景が見られたし、にこやかに話す荻野貴司とマーティンも印象的だった。
試合ではジャイアンツに翻弄されてしまい…
この日の試合は0-6でマリーンズがジャイアンツに完敗。三塚琉生や増田陸に一発を浴びたほか、ダブルスチールも決められ、ジャイアンツに好き勝手やられてしまった印象だ。
個人的に気になったのはマリーンズの覇気のなさ。ジャイアンツにじわじわと引き離されていくとともに、マリーンズの選手の気持ちも切れていっているような気がした。
それを象徴しているように思えたのが7回表。中継ぎとして登板した田中楓基がピンチに陥っても内野陣は声をかけないどころか、俯いて目を合わせようともしなかった。
ワタシはちばあきおの漫画「プレイボール」が大好きなのだが、その中に墨谷高校の投手・松川がピンチに陥るシーンがある。そのとき、主人公でありキャプテンの谷口タカオが「とにかくピッチャーってのは窮地に立つと孤独になりがちだが…けっしておまえひとりじゃないんだぞ」と松川を鼓舞。このひと言で松川は吹っ切れたような表情になり、ピンチを切り抜けている。
声をかけたところでピンチから脱するわけでもないし、終盤の7回に4点差をつけられて諦めが湧いてくるのもわかる。ただ、マウンドで投げつづける田中がちょっと気の毒だった。
約20年前と比べるとかなりの変化が
試合後、ワタシはしばらく客席に残り、ミーティングの様子を見守る。
その後、諸積兼司コーチを中心にノックが始まるが、ここで球場は閉門時間に。残念ながら選手たちがノックを受けるシーンを見ることはできなかった。
後ろ髪を引かれる思いで球場を出てからは、かつて選手やコーチたちがよくサインに応じていた球場正面へ回ってみることに。すると、大勢のファンが柵に囲まれた道端のエリアにぎゅっとまとまり、選手たちが出てくるのを待っていた。
ただし、「①~最寄り駅からの道順はとてもシンプル~」でも書いたように、現在はロッテ浦和球場のルールが厳格化されているため、サインや記念撮影はなし。ファンは球場から出てくる選手たちに「お疲れさまです~」と声をかけていた。
2004年の「インパーソンの底なし沼~ロッテ二軍球場に李承燁(イ・スンヨプ)が!?~」の頃と比べるとだいぶ雰囲気が変わってしまったロッテ浦和球場だが、間近で野球を観られるのは魅力。今年はそろそろ二軍戦が終わってしまうので行けないが、来年また機会があったら訪れてみたいと思っている。
「ロッテ浦和球場に行ってみる」一覧
①~最寄り駅からの道順はとてもシンプル~
②~グラウンドのすぐそばで試合を観戦~
(お出かけ日:2025年8月31日)
※敬称略させていただきます。
※各情報は2025年9月時点のものです。