何かの機会に「熱海秘宝館」の話が出たとき、Kがなんだか熱くなっていたことがあった。ただ、一方のワタシといえば「へぇ~」くらいのものだった。
しかし、9月末の旅行先を考えていた際、ふとそのことを思い出したワタシが「熱海秘宝館」行きを提案したところ、Kは「私がもっとも行きたい場所のひとつwww」と反応。ならば、ということで静岡方面へ出かけることになり…。
江浦湾の湾岸に位置する「三代目あだち」
普通に考えたら、「熱海秘宝館」に行くならば熱海に泊まるのがいいのだろう。
ただ、熱海は混んでいるらしいというニュースをどこかで目にした記憶があった。おまけにワタシは「観光地らしい観光地」がどうも苦手で…。
ならば、ということでワタシは熱海近辺で魚がおいしそうなお宿を探してみることに。その結果、よさそうに思えたのが沼津市の中央部付近、伊豆半島のちょうど付け根あたりにある「三代目あだち」というお宿だ。Kに確認したところ、かなり惹かれた様子だったので、さっそく予約する。
そして9月25日。11時に合流したワタシたちは一路沼津へ。
昼食は海鮮丼にするという案もあったが、「三代目あだち」の夕食で海の幸を思う存分味わいたい! ということで神奈川県平塚市を通過している最中に見かけたバーミヤンへ。ワタシたちはこういうところが妙にストイックである。
昼食後は芦ノ湖のそばを通り抜け、15時前には「三代目あだち」の近くまで到着。
トンネルを抜け、国道414号(静岡県道134号 静浦港韮山停車場線)から静岡県道17号 沼津土肥線に入ったところで、目の前にいきなり江浦湾が!
山あいの道をずっと進んできた直後だっただけに、思わず「おおっ!!」っと声を上げてしまった。
【三代目あだち】基本情報
三代目あだち
■住所:静岡県沼津市口野243-4
■宿泊費:
1泊2食つき 1人 13,200円
※税込価格 ※宿のサイト調べ
※2人で宿泊時の価格です
※子ども料金あり
■部屋数:和室5室
■温泉:なし
■駐車場:あり
■電話:055-939-0359
「三代目あだち」はちょっと細長い印象の、3階建てのお宿だ。
すぐ目の前が静岡県道17号なので、お宿の前にある駐車場に車を入れる場合は周囲に注意しよう。
お宿のフロント兼カウンターにはお酒がいろいろと並んでいて、ホームページを見るとこちらでお酒をいただけるようだ。
ワタシたちも「あとでぜひいただこう!」と意気込んでいたのだが、夕食後にひと眠りしてしまい、お酒をいただく機会を逸してしまった。残念…。
ちなみに、「三代目あだち」は旅行会社のサイトでも予約できるが、お宿のサイトから直接予約するほうが宿代が若干安く、料理が1品増えるという特典がある。そのため、お宿に直接予約するほうがオススメだ。実際、ワタシもお宿のホームページから予約している。
この日、ワタシたちが通されたのは海側の「桜の間」。こぢんまりとした部屋だが、エアコンやテレビ、トイレや空の冷蔵庫など設備は過不足なく揃っている。
室内は洗面台まで掃除が行き届き、とてもきれいな印象。トイレも広々としていて使いやすかった。
「三代目あだち」は県道の向こうに江浦湾が広がっている。
県道と江浦湾の間に施設があるため、すぐ目の前が海というわけでもないのだが、それでも開放感たっぷり。湾になっているせいか、海はとても静かだった。
実はワタシ、この日は仕事があったためにノートパソコンを持参。小一時間ほど仕事のやりとりをする。
その間、Kはお酒を軽く飲みながら相撲観戦。2日後の27日には両国国技館で14日目の相撲を観戦する予定であり、Kのお気に入りである隆の勝が優勝争いに食い込んでいたので見逃せるはずもない。
早くKに合流したいと焦る気持ちを抑えつつ、ワタシは粛々と仕事を進めるのであった。
「三代目あだち」の魅力は海鮮料理だけじゃなかった!
相撲観戦が終わったあとはお楽しみの夕食タイム。
「三代目あだち」では個室で食事をいただけるようになっていて、ワタシたちは「桜の間」から別の部屋へ移動する。
食事が用意された部屋に入ってみると、最初に目に飛び込んできたのが豪勢な船盛! テーブルには他にも前菜や茶碗蒸しも並んでいて、どれもおいしそうだ。
一刻も早くいただきたいところだが、ちょっとだけ我慢してお酒を注文。お酒を待つ間、期待がふくらむ一方だった。
そして、お酒が並んだところで「いただきます!」。
まずは前菜を…とわさび漬けを何気なくつまんでみると、これがほんのりと甘い。正直、わさび漬けのぴりっとした辛さがワタシは少々苦手なのだが、こちらのわさび漬けはおいしかった。
続いて茶碗蒸しをいただきながら船盛にも箸を伸ばすが…どれもおいしそうで、どこからいただこうか迷ってしまう。それに見た目も見事で、それを崩すのもためらわれ…なんて思っていたのはほんの数秒。
箸を一度つけたら、あとはKとともに「おいしいねぇ!」とお互いに口にしながら、思い思いに新鮮なお刺身をいただいていった。ただ、ワタシはどれがどの魚なのかよくわからない人なので、こういうときに「特に〇〇〇がよかった!」言えないのがもどかしい。
また、金目鯛の煮付けは味がよく染みているし、柔らかくて身離れがいいので食べやすい。
甘辛い煮汁をちょっとかけたごはんと一緒にいただくと、ごはんが進む進む!
ワタシもKも魚が好きで、海鮮料理を求めて「三代目あだち」を選んだようなものだ。しかし、こちらの料理はお刺身や煮付けなど魚料理はもちろん、他の料理もおいしかった。
中でもKが魚料理以外に「おいしい!」と感心していたのは茶碗蒸しとコロッケ。
ワタシとしてはどの料理も手間をかけている印象で、食欲をそそられるバラエティ豊かな料理を楽しめて、味にも量にも大満足。ごちそうさまでした!
食後は少し休んでから1階にあるカウンターでお酒をちょっといただければ…なんて思っていたのだが、テレビを見ながらダラダラしているうちにワタシもKもウトウト。気づいたら22時を過ぎてしまっていた。
そこでKにひと声かけてワタシだけお風呂へ向かう。
お風呂は貸し切りにできるようになっているので、のんびりとお湯に浸かることができる。
「三代目あだち」のお風呂は予約制ではなく、出入り口のボードが「空いてます」になっていたら入浴できる。自分が入浴する際にはこのボードを裏返しておくことを忘れずに。
お湯は熱すぎずぬるすぎず…といったところで、熱めの湯が苦手なワタシでも長く浸かっていられた。
ワタシがお風呂から上がると、Kがもぞもぞと起き出したのでそのまま酒盛りへ。
結局、そのまま夜ふけまでのんびりとお酒を飲んでいた。
細やかな気遣いがうれしい「三代目あだち」
翌9月26日。夜ふかししたにもかかわらず、ワタシたちは7時にしっかり起床して朝食へ。
朝食は夕食ほどではないものの、かなり豪勢。さすがにKは食べきれず、ワタシが少しヘルプした。
朝食の中で印象に残ったのが、抹茶をふりかけたプリン。
ぱっと見たときには海苔がかかった何かかと思ったが、試しにひと口いただいてプリンだと判明。プリンの甘さと抹茶の苦みが意外とマッチしていておいしかった。
「三代目あだち」は料理がおいしいことはもちろんだが、チェックイン時には部屋まで荷物を運んでいただいたり、部屋に冷水を持ってきていただいたりと細やかな気遣いも印象的。また、2階にはセルフの紅茶やコーヒーも用意されていた。
部屋数がそれほど多くはなく、一晩に泊まれるお客さんの数は限られている。それでも2名用の部屋の予約が翌月のぶんまでほぼ埋まっているのも納得できる、とてもいいお宿だった。
「秘宝と海鮮料理を求めて… in 静岡」一覧
①【三代目あだち】手間をかけた料理の数々に大満足!
②【沼津干物屋マルカイ】
③【熱海秘宝館】
④【川口水産】
⑤【主屋】
(お出かけ日:2025年9月25日~9月26日)
※敬称略させていただきます。
※各情報は2025年10月時点のものです。