秩父旅行2日目の2月19日。
この日、ワタシたちは恒例の秩父札所巡りをがっつりとするつもりだった。そこで「民宿すぎの子」を10時にチェックアウトしたあと、まずは18番札所「神門寺」へ向かう。
続けて「神門寺」周辺の札所を回るつもりだった。ただ、札所ではないものの、ワタシ個人としてお参りしたいと思っていたお寺がひとつあり、Kに話すと乗り気になったので向かうことに…。
境内にたくさんのカエルたちが! まさに「かえる寺」!!
19番札所「龍石寺」から車で数分のところにある「宗福寺」。
実はこちら、あることで知る人ぞ知る有名なお寺なのだ。その「あること」とは…カエルのお地蔵さまをはじめとした、境内のあちこちに点在するカエルの石仏や置き物! そのため、「宗福寺」は「かえる寺」とも呼ばれているらしい。
カエルのお地蔵さまなんて、ワタシは初めて聞いた。本当にあるなら見てみたい!
というわけで、実際に「宗福寺」を訪れてみると…。
【宗福寺】基本情報
萬松山 宗福寺
■住所:埼玉県秩父市大畑町9-13
■宗派:曹洞宗
■本尊:延命地蔵菩薩
■駐車場:あり
■電話:0494-22-1669

道路に面したお寺の入り口から参道に入ると、まず六地蔵や奪衣婆が祀ってあるお堂などが目に入ってくる。本堂は奥まったところにあり、周囲に高い建物がないことと相まって広々とした印象だ。
ただ、このあたりではまだカエルたちの姿はあまり見かけない。正直、ワタシとしては「あらっ!?」とちょっと拍子抜けしてしまったところがあった。
しかし、本堂に近づいていくにつれ、徐々に、そして確実にカエルの姿が目立ってくる。
もしかしたら実はここに至るまでところどころに小さなカエルたちが隠れていて、それにワタシが気づかなかっただけかもしれないが…。
そして、境内の周囲には…本堂を中心にしてカエルがいっぱい! カエルの六地蔵までおるぞ!!
探せば探すほどかわいいカエルたちがどんどん見つかる。まるで隠れキャラを探しているようで、なんだか楽しくなってしまった。また、本堂の隣にある庫裏にもたくさんのカエルグッズがズラリ! ここまで徹底してカエルたちが集まっていると実に壮観だ。
ちなみに、個人的には托鉢僧のカエルがお気に入り。どこか物欲しそうな表情がユーモアにあふれていると思いませんか、ねぇ?
枯山水の砂紋に蓮池と見どころ満載!
「宗福寺」のお楽しみはこれだけでは終わらない。本堂の裏手には、岩や砂で水の流れを表現する枯山水の砂紋を描ける体験コーナーがあるのだ。
こういうものにワタシたちはかなり弱い。そばに置かれていた大きな熊手(砂紋搔き)を握り、まずはKが、続いてワタシが挑戦!
途中で記念撮影したとき、Kがかなり疲れた表情をしていたので、ワタシはケタケタ笑ってしまった。
次にワタシが挑戦したのだが…搔いた砂の重みもあって熊手がけっこう重い!
最初の頃はテレビドラマ「大岡越前」のオープニングを口ずさむ余裕があったものの、そんなものはすぐに吹き飛んでしまった。それでも夢中になって砂紋を描いていたワタシたちって…子どもだねぇ。
さらにさらに、「宗福寺」の敷地内には公園のようになっているエリアにあり、そこにはもうひとつの見どころである蓮池がある、のだけれども…。ハスの見頃といえば7月中旬から8月中旬である。そして、ワタシたちが訪れたのは2月。ここでもワタシたちは思いきり時季を外してしまった。
秩父について調べているとき、たまたま見つけた「宗福寺」はカエル以外にも楽しめるポイントがいろいろあり、カエル好きでなくてもかなりオススメだ。
もし再訪することがあったら、なぜカエルとここまで縁が深くなったのかといった話を、ぜひご住職に聞いてみたいと思った。
「宗福寺」豆知識(2025年5月1日追記)
後日、「宗福寺」のご住職からいろいろと教えていただく機会に恵まれた。
こちらでは「宗福寺」にまつわるさまざまなエピソードを紹介していこう。
・「宗福寺」とカエルの縁
秩父地方には、木に卵を産みつけるモリアオガエルの生息地がある。
「宗福寺」のあたりはモリアオガエルの生息分布から外れるものの、お寺にハスがあるということで檀家の方が厚意でモリアオガエルの卵を持ってきてくれたことがあったという。
その卵が孵化して以来、毎年ではないものの境内でモリアオガエルが卵を産むようになった。
・カエルのご利益
カエルには生まれた場所に戻って卵を産むという習性がある。
このため、無事帰る(ブジカエル)、若返る(ワカガエル)、使ったお金が還る(カエル)といったように語呂がいいため、カエルは古来から人々に重宝されてきた。
そこで「宗福寺」では、参拝者がまた気軽にカエルでも見に行こうと帰ってきてもらえるような身近なお寺でありたいという思いから、さまざまなカエルを置いているという。
また、現在のご住職もカエルが好きなこともあり、ここ最近はポップなカエルたちが増えてきている。
・若秩父(常磐山親方)の墓所
「宗福寺」には「秩父の怪童」と呼ばれた若秩父のお墓がある。
若秩父は1954年に初土俵を踏む。身長は173cmと小柄ながら大食漢で、体重は135kgもあった。
1959年には小結に昇進。19歳11か月での三役昇進は、昭和以降では最年少記録(当時)だった。
最高位は西の関脇で、1968年に引退。その後は常盤山を襲名し、定年まで日本相撲協会監事、巡業部副部長を歴任している。
今回はいろいろとご教授いただきまして、ありがとうございました!
「ロウバイは梅じゃないよ in 埼玉」一覧
①【宝登山ロウバイ園】関東でも屈指のロウバイの名所へ!
②【寳登山神社 奥宮】山頂にある木立に囲まれた神域
③【寳登山神社】宝登山のふもとに広がる秩父三社のひとつ
④【秩父札所巡り】本日はどちらのおそばにいたしましょう?
⑤【民宿すぎの子】いのしし鍋3人前に2人で挑む!!
⑥【宗福寺】秩父の隠れた名所の「かえる寺」
⑦【秩父札所巡り】この日の昼食もやっぱりおそば!
(お出かけ日:2025年2月18日~2月19日)
※敬称略させていただきます。
※各情報は2025年4月時点のものです。