2月の梅見に続き、「桜が見たい!」というKのリクエストに応えるべく、ワタシは八王子で桜の名所を探してみることに。
すると、ワタシたちがよく行くおそば屋の近くにしだれ桜の名所があるとの情報が!? ワタシは長く八王子に住んでいるが、こんなお寺があったなんて初めて知った…。
「桜姫」の見頃は3月下旬から4月の初頭
「髙楽寺」は国道20号から東京都道47号 八王子町田線に入り、椚田遺跡公園通りへ分岐するあたりで西に入ったところにある。
お寺の周囲は道が狭い。特にしだれ桜の咲く時期は、平日でも「髙楽寺」へ花見に行く人がけっこう多いので、車で行く場合は歩行者に注意しよう。
【髙楽寺】基本情報
獨峰山 髙楽寺
■住所:東京都八王子市狭間町
1868
■宗派:真言宗智山派
■本尊:不動明王
■境内閉門時間:
季節によって変更あり
■駐車場:あり
■電話: 042-664-6814
※桜の開花状況について個別の
お問い合わせには回答して
いませんので、お問い合わせは
ご遠慮ください。

駐車場に車を停めて、まず目に入るのが見事なしだれ桜だ。ワタシたちは思わず「おお、すごい!」という言葉を漏らしてしまった。
本堂よりも高いこの桜は正確にはベニシダレザクラといい、高さは15m、幹回りは4mにも及ぶ。樹齢は250年から300年ともいわれていて、満開時には笠をかぶった姫を思わせることから「桜姫」とも呼ばれているのだとか。
開花時期は東京都の開花予想とほぼ同じで、3月下旬から4月初頭までの10日間ほどが見頃となる。
まずは桜姫をたっぷりと堪能していただこう。
境内にそびえる桜姫の存在感は圧倒的! 桜の花がまるで降ってくるかのようだった。
今でこそ可憐な姿を見せてくれる桜姫だが、一時は枯れかけたこともあったという。
この危機を救ったのが、高木の手入れを行う専門職である空師の親子。おかげで桜姫は今もきれいな姿を見せてくれている。
ただ、最近は見物客のトラブルも増えているのだとか。
しだれ桜があるのはお寺の境内なので、見物時には階段などでは座らない、境内や駐車場で騒がないといったマナーは守るようにしよう。また、延命治療を施している桜に触れないことも大切だ。
また、お寺ではしだれ桜に関して、電話による問い合わせは受け付けていない。
見頃かどうかはお寺のホームページで確認するといいだろう。
現在は未公開ながら「高楽寺横穴石仏群」もあり
「髙楽寺」は境内が決して広くはないが、ところどころに石仏やお地蔵さまが点在。
新しいものだけでなく古いものもあり、歴史の古さを感じさせる。
あとでお寺の看板の写真を見たとき、気になったことがあった。それは「天明年間発掘 秩父三十三観音 需洞」の文字だ。
現在は公開されていないが、「髙楽寺」の境内の裏には八王子市の史跡として指定されている「高楽寺横穴石仏群」がある。こちらは胎内巡りを模した全長30mもの横穴に、薬師如来や不動明王、十王像などのほか、秩父三十三観音が安置されている。
こちらは天明の大飢饉が起こった際、五穀豊饒や悪病平癒を祈念して天明5年(1785)に完成。ただ、秩父札所が33か所から34か所になったのは16世紀の室町時代の頃といわれている。
なぜ三十三観音なのか。もしかして、札所が34か所に増えたことが当時の八王子にはまだ伝わっていなかったのかもしれないなぁ…なんてことを考えているうちに、当時の情報伝達速度がどんなものだったのか、ちょっと興味が湧いてしまった。
(お出かけ日:2025年3月31日)
※各情報は2025年5月時点のものです。