秩父でうなぎをいただき、あとは本日お世話になる「季節のお宿 ひみね」(以下、「ひみね」)を目指すのみ! …となったワタシたちだったが、その道のりは決して平坦なものではなかった。
というか、そんなことあるの!? というハプニング続きで…。
東京と山梨の境の山道で豪雨に遭遇!
国道140号線が通行止めのため、ワタシたちは秩父の市街地を抜けたあと、国道299号から埼玉県道53号 青梅秩父線に入って正丸峠を通過。続いて埼玉県道・東京都道193号 下畑軍畑線を経由して国道411号(青梅街道)に入り、そのまま西に進んで奥多摩湖を目指した。
埼玉県内にいた頃は「ちょっと曇ってきたかな」という空模様だったのだが、奥多摩湖に差しかかるあたりで空がかなりどんよりとしてきて、ぽつぽつと雨が…。
ただ、このあたりでは前を走っていた車の速度のほうが気になり、「もう少し速くいけないもんかね」などとKとこぼしていた。
しかし、それからわずか10分ほどのちのこと。
奥多摩湖を過ぎたあたりで、かなり派手に雷が鳴ったかと思うと、突然の土砂降りに! 最初は少しずつ進もうとしたが、あまりの雨足にワタシたちは路肩に広いスペースを見つけると、そこに車を停めざるを得なかった。そして、前を走っていた車はマイペースを保ったまま、ワタシたちの視界から消えていくのだった…。
その後、15分ほど待ってみたが、雨がやむ気配はない。
おまけに、道を挟んで反対側は山の斜面で、国道140号が通行止めになった原因である土砂崩落(落石)がふと頭をよぎってしまう。
そこでワタシはスマホで雨雲レーダーを調べ、ワタシたちが向かう地域は晴れてきていることを確認。徐行でゆるゆると山道を下っていった。
なんとか山梨県の丹波山村あたりまで下りたところで雨足が若干弱まり、「雲峰寺」のある大菩薩峠の登山口付近まで着いたときには雨は完全にやんでいた。
このときは焦ってAIを使うというアイデアが思いつかなかったが、あとでAIに聞いてみたところ、豪雨に遭遇したときの最良の策は「車を停めて雨足が弱まるのを待つ」ことだとか。ひとつ勉強になった。
某先生のお導きはありがた…くない!?
予定していたより若干遅れたものの、山梨に入ってからはスイスイと進み、もうすぐ「ひみね」に着くというところまで来たときのこと。
「ひみね」は国道137号の旧道沿いにあるのだが、ワタシたちはコンビニに立ち寄る必要があったため、国道137号の新道からお宿を目指すことに。そこでワタシはブログに何度が登場しているマップアプリの某先生に頼ることにしたのだが…。某先生といえば、目的地までの距離を優先した結果、とんでもないルートに導いてくれることがある。
今回はそんなこともないだろうと油断していたら…ワタシたちが入ったのは、Uターンして戻るのがほぼ不可能な細い下り坂!
道に入ったところで不安を覚えたワタシは、途中にあった小さな空き地に車を停めてもらい、車を降りて下まで確認しに向かう。
下のほうに行けば道は若干広くなるものの、途中にはほぼ直角なカーブまで…。戻ったワタシが道の状況をKに伝えると、Kの決断は「行く。もう戻るのは難しいから」。
そこでワタシは車に乗らずに先導役を務め、Kを誘導。なんとか国道137号の旧道に出ることができた。
それにしても、なんで某先生はこんな道を選ぶのか…。
心が落ち着く「ひみね」の景色
そんなこんなで「ひみね」には15時30分に到着。なんとか大相撲中継の幕内の取組には間に合う。
ワタシたちが「ひみね」にお世話になるのは今回で4回目だ。
2023年に初めて「ひみね」に泊まったとき、Kが「定宿にしたい」とつぶやいた言葉が今は現実のものとなり、夏の定番にまでなっている。ある旅行サイトでたまたま見つけた寂しげな写真のお宿が、今ではこんなに身近なものになるとは…なんだか感慨深いものがある。

いつものように、小さなフロントでチェックインをすませて二階へ。階段を上がったところにあるのは共用の洗面所と冷蔵庫、それにちょっと古びたソファとテーブルだ。
部屋に入れば小さな座卓と座布団。そして、まずはテレビをつけて大相撲中継…。もはやどれも見慣れた光景だ。そして、部屋に入ると「今日の旅は終わったな」と落ち着いた気分になれる。
布団を自分たちで敷くことも含めて、なんだか「ひみね」にえらく馴染んだ自分たちがいた。
2階の廊下の奥には非常階段があり、その踊り場が喫煙所になっている。
そこに出て周りを見ると、「ひみね」が山の間にあることが一目瞭然。セミの鳴き声を聞きながらこの景色を見ると、「ああ、『ひみね』に来たなぁ」とホッとする。
夕食は定番の肉祭り! 箸休めが以前より充実!?
テレビで相撲をたっぷり楽しんだあと、18時からはお楽しみの夕食!
富士山の熔岩でできたプレートでじっくりと焼いていただく肉はいつもおいしいし、ボリュームもたっぷり。これで宿泊費は1万円を切っていて、赤字になるんじゃないかと心配になるくらいだ。
馬刺しを含めて肉がたっぷりなのは相変わらずだが、きゅうりの漬け物をはじめとした箸休めがちょっと増えたような気が…。確か、黄金色のつぶつぶは去年はなかったはず。
ご主人に伺ったところ、このつぶつぶはヤマメの卵だと教えていただいた記憶がある。かなり弾力があり、プリプリというよりもコリッとした食感だった。
ヤマメの塩焼きはちょっと遅れて出てくるのだが、塩焼きに箸をつける頃には肉だけでお腹いっぱいになっていることもしばしば。
そこでKはペース配分を考えていたようで、肉を少々抑え気味にして塩焼きに備えていたそうだ。おかげで塩焼きも食べることはできたのだが、デザートの桃が出てきたときにはさすがに満腹状態だった模様で…。Kは桃が大好きなのだが、桃はワタシが多めにいただくことになった。
それでもボリュームたっぷりの夕食をいただき、ワタシたちは大満足。ごちそうさまでした!
食後はレコードプレーヤーのある社長室(喫煙室)で恒例の一服。
ここでワタシたちはいつもお気に入りの曲を探して聴いているのだが、ここでワタシたちがかけるレコードの曲はそのまま館内のBGMとして流れる。冷静に考えると、ちょっと重要な役目のような気がしないでもない。
ちなみに、室内には大谷翔平のジャージが! 大谷の人気の高さを意外なところで実感することになった。
おばあちゃん手作りの梅干しがおいしい!
食後は映画を観ようとしたワタシたちだが、気づいたらそのまま寝てしまい、そのまま翌26日に。
昨日は曇りがちだったが、この日は快晴で暑くなりそうだ。
それでも「ひみね」の周辺はさわやか。あとで伺った話によると、笛吹市のあたりは甲府盆地の中でも標高が高いところにあるのだとか。おかげで7月下旬と暑い時期にもかかわらず、朝や夜はとても過ごしやすかった。
起きたらまずは朝食。
これはKが気づいたことだが、朝食の品数が若干増えたようで、彩りも鮮やかに。ワタシとしては、「ひみね」のおばあちゃん手作りという梅干しが大当たり。ほどよいすっぱさで食べやすく、梅干しをお代わりしてしまった。
昨晩は映画を観ている途中で寝てしまったこともあり、食後にひと風呂。
「ひみね」には薬石の湯、薬草の湯の2種類があり、どちらが男湯と女湯になるかはその日によって変わるようだ。
その後、10時にワタシたちはチェックアウト。
一晩だったが、ワタシたちはたっぷりと「ひみね」を堪能できた。定宿はやっぱりいいなぁ。来年も絶対に来ないとな!

「蓮と岩屋と鰻と夢絵師 in 埼玉&山梨」一覧
①【宗福寺】見頃を迎えたかえる寺の蓮池を見てみたい!
②【割烹 坂本屋】肉厚ふわふわのうなぎで夏バテ防止!
③【季節のお宿 ひみね】食事のメニューがパワーアップ!
④【Gelateria ROTONDO 甲斐黒駒店】おいしいジェラートで季節を味わって
⑤【竹中英太郎記念館】
⑥【恵林寺】
⑦【甲州ほうとう 百間】
(お出かけ日:2025年7月25日~7月26日)
※敬称略させていただきます。
※各情報は2025年9月時点のものです。