令和8年(2026)3月18日~11月30日に、34の札所で一斉に御開帳となるのが「午歳総開帳」だ。
この期間は、普段は非公開になっているご本尊を直接お参りできるほか、本堂や観音堂の前に立つ回向柱にご本尊の観音さまとつながった御手綱が結ばれ、御手綱や回向柱に触れることで観音さまと深く縁を結ぶことができる。また、特別な記念御朱印になるのもポイントのひとつだ。
さらに、2026年の午歳総開帳では記念散華の配布やデジタルスタンプラリー、THE ALFEEとのコラボなど、さまざまなイベントを開催。
一度は結願したワタシたちだが、今回の午歳総開帳に合わせて再び秩父を訪れることを早い段階から計画。一度目のときは自分たちの旅程に合わせてバラバラの順番で回ったが、2026年の午歳総開帳では1番札所「四萬部寺」から順番に巡礼していくつもりだ。
ちなみに、各お寺の掲載写真は基本的に午歳総開帳時の本堂や観音堂、記念御朱印、回向柱の前でお参りをしているワタシの3枚になっている。
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【仲春編】春は秩父で桜を愛でる in 埼玉⑤
3月31日から4月1日にかけて計画した1泊旅行では、1日目は秩父の桜を堪能、2日目に札所巡りを計画。
この期間はぐずつき気味の天気で、札所巡りのときは途中で雨に降られてしまうことに。
一方で巡礼中に「四萬部寺」の近くにある卵の直売所「アクアファーム秩父」に向かうなど、いつものようにしっかりと寄り道。
それでも約6時間のうちに1番札所「四萬部寺」から8番札所「西善寺」まで巡礼することができた。
札所1番 四萬部寺
3月18日の午歳総開帳の初日、「四萬部寺」では御朱印をいただくために長蛇の列ができ、駐車場もなかなかの喧騒ぶりだったそうだが、ワタシたちが訪れた4月1日は平日ということもあって納経所が混んでいたくらいで、駐車場は若干の余裕があった。
ただし、数量限定で発売された午歳総開帳記念納経帳は「四萬部寺」ではまさかの売り切れ!? そこで着物の生地を使ったというかわいらしい納経帳をKに選んでもらい、こちらの1冊を片手に今回は結願を目指すことになった。
「四萬部寺」でお参りした際、Kが境内にある平和の鐘で鐘撞。周囲に「ゴーン」と鐘の音がけっこう大きく響き渡り、Kは身を小さくしていたが、これを機に鐘を撞く方が増え、ワタシたちがお寺を去るときには鐘の音がちらほらと聞こえてきていた。
札所2番 真福寺
「四萬部寺」から「真福寺」に向かう際、おそらく歩いて巡礼していると思われる方々をときどき見かける。
「真福寺」は駐車場が広い一方で、お寺までの山道がかなり狭いこともあり、大きな観光バスでお寺の前まで向かうのはほぼ無理。そのためか、マイクロバスで来ていた方々もいた。
ただ、駐車場から観音堂まではちょっとした石段があり、場所によっては急なところも。マイクロバスで訪れたお年寄りによっては、石段の上り下りがちょっとしんどそうだった。
「真福寺」の納経所は山のふもとの「光明寺」にある。
こちらのお寺でも「真福寺」と同じく参拝客を散見。前回訪れたときはほとんど見かけなかったので、午歳総開帳がいかに大きな行事であることを実感させられた。
ちなみに、「真福寺」の本堂の前にも回向柱が立っていて、ご本尊と御手綱でつながっていた。
もしかしたら、山の中にある「真福寺」まで行けない方々のため、「真福寺」の代わりとして回向柱があったのかもしれない。
札所3番 常泉寺
「常泉寺」では、お寺の解説をしているガイドの方を中心とした少人数のグループと遭遇。こうしたグループは他の札所でも何度か見かける。最初に秩父札所巡りをしたときはほとんど知識がなく、ブログの記事を書くときも独学だったワタシからすると、けっこううらやましい光景だった。
ワタシたちが「常泉寺」に着いたのは昼前で、休憩所ではお弁当を広げている方々も。なんとものどかな雰囲気で、お弁当を片手にお参りするのもいいなぁと思いながら眺めていた。
札所4番 金昌寺
「金昌寺」をお参りしたときはちょうど昼どき。納経所が休憩中ということもあり、参拝客はほとんど見かけなかった。
ワタシたちといえば、前回のお参りの際にワタシのイージーミスで「奥の院岩屋」までお参りできなかったので、ちょうどいいタイミングだとばかりに「奥の院岩屋」へ向かう。
今回もせり出した岩の下に石仏が並んでいるところを「奥の院岩屋」だと危うく勘違いしそうになったが、案内板のおかげでミスを回避。ワタシも少しは下調べをしておけばいいのに…。
札所5番 語歌堂
「語歌堂」でお参りをすませたあたりで雲行きがかなり怪しくなり、納経所のある「長興寺」に向かっている最中に雨が強く降りはじめる。
「長興寺」の山門では、折り畳み傘の用意をしている小学5年生くらいの少年3人組と出会う。少年たちはワタシたちが「語歌堂」の話をしているのを聞きつけたのだろう、「『語歌堂』はあっちにありますよ~!」と元気に教えてくれた。
少年たちの笑顔がなんとも愛らしく、ワタシたちは素直に「ありがとう!」とお礼を返す。
「長興寺」の納経所では御朱印を捺す方が2人、墨書き担当が1人という3人体制。御朱印をいただく際、お寺で作ったと思われる梅干しをご馳走になる。素朴な梅干しでおいしかった。
実はこのとき、「お参りの際、先にご本尊の前で手を合わせるべきが、それとも先に御手綱を握ってお参りすべきなのか」という、ワタシたちとしてはけっこう切実な疑問があった。
この疑問をお寺のご住職と思しき方に尋ねてみたところ、「どちらが先でも大丈夫ですよ」と教えていただき、あっさり解決した。
札所6番 卜雲寺
「卜雲寺」を車で訪れる際、ちょっとした難所がある。それはお寺の前の坂道だ。こちらの坂道はすれ違うのが困難なうえ、途中でほぼ直角に曲がったカーブまである。
そこでワタシが車を降りて坂道を駆け上がり、下りてくる車がないこと、少なめの駐車スペースが空いていることをあらかじめ確認。そのうえでKに連絡して、お寺の駐車場まで来てもらった。
もちろん、帰りもワタシが坂道を駆け下り、下から車が上がってこないことをチェック。おかげでけっこう疲れてしまった。
札所7番 法長寺
秩父札所の中でも最大級の規模を誇る「法長寺」では、雨が本格的に降っていたせいか、ワタシたち以外に参拝客の姿はなし。広い境内と、太くて存在感のある回向柱をまるでワタシたちが独占しているようで、気分がいいというよりワタシは気が引けてしまった。
また、駐車場から山門に向かって歩いているとき、何やら白と青の色鮮やかな飾りが下がっているなぁ…と近づいてみると、こちらはなんと数多くのさるこたち。さらに、境内に安置された牛の像たちには赤い前掛けがかけられていた。
札所8番 西善寺
ワタシたちが「西善寺」に着いたときは雨がかなり強くなっていたが、駐車場には観光バスが2台ほど停まり、境内にはけっこうな数の参拝客がいた。
あるグループはガイドらしきお坊さんを中心に読経。ワタシたちがお参りを終えて帰るときも新たな団体客が到着し、午歳総開帳はこんなに混むものなのだと目を見張った。
「西善寺」で御手綱を握ってお参りしている姿をKに撮影してもらったときのこと。写真を撮ったあとで「真面目な顔をしてて、なんか面白い」と笑われる。いや、ご本尊と縁を結んでいる真っ最中なのだから、そりゃ真面目になりますって。
「西善寺」の見どころのひとつであるコミネカエデは、小さなつぼみや芽吹いたばかりの若葉がうっすらと赤く色づき、なんとも風情のある姿を見せてくれた。Kが言うように、雨に濡れてしっとりしたからこその色合いだったのかもしれない。
ただ、残念な場面がひとつ。境内に記念散華を捨てていった人がけっこういたようで、納経所に置かれた箱の中に捨てられた記念散華が何枚も残されていた。せっかく用意していただいたものを捨てるのはさすがに失礼だろうと思ってしまった。
ワタシたちが「西善寺」でのお参りを終え、車で国道299号を走っていたときのこと。
「法長寺」の近くで傘を差した3人組とすれ違う。どこかで見たことあるような…と思ったら、どうやら「長興寺」の山門で元気な声をかけてくれた少年たちのようだ。
少年たちは疲れた顔をして肩を落とし、雨の中をとぼとぼと歩いていた。
この日、少年たちがお寺をいくつ巡ることができたのかはわからないし、これから34札所すべてを回る計画でいるのかも不明だ。
ただ、いつか少年たちが札所巡りのことを学級新聞のような形で残すことがあったら、ワタシはお金を払ってでも読ませてほしいと思っている。10代になったばかりの子たちがお寺で何を感じ、どんな思いで歩いたのか…なんだか楽しそうじゃないっすか。
「春は秩父で桜を愛でる in 埼玉⑥【手打そば 武蔵屋】」へ
(お出かけ日:2026年3月31日~4月1日)
※各情報は2026年5月時点のものです。







































