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ロウバイよ、我々は帰ってきた! in 埼玉①【恒持神社】秩父市山田を気の向くまま歩いてみる

旅行記
恒持神社の鳥居

2月になるとKがソワソワしはじめる。なぜならロウバイの時季だからだ。
去年、Kは「『宝登山ロウバイ園』には毎年行きたい!」と力強く宣言していたので、ワタシも「宝登山ロウバイ園」の開花状況をこまめにチェックしていた。
ただし、今年の2月はお互いに仕事がけっこうハード。果たして都合はつくのか…と思っていたが、Kは忙しくても行くと言う。それならばワタシも仕事の都合をつけて、秩父旅行を計画しようじゃないか!

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「八坂神社」に天狗と牛若丸の彫刻が!?

旅行当日の2月15日は12時にKと待ち合わせ。15時には本日のお宿である「霊泉旅館 不動の湯」(以下、「不動の湯」)に到着する。
ただ、この時点でKはかなり疲れていたので、夕食まで仮眠を取ることに。一方のワタシといえば、そばでテレビを見ていてもうるさいだろうということで、お宿周辺の散歩へ出る。「不動の湯」の近くには1番札所「四萬部寺」や、2番札所「真福寺」の納経所である「光明寺」などもある。他にも神社がいろいろとあるようなので気の向くまま歩いてみよう、と思ったわけだ。

お宿を出たワタシは馬頭観音の前を通り過ぎ、まずは近くの「坂本屋菓子店」へ。こちらのお店の「定峰やき」と「定峰まんじゅう」がおいしいらしいと、Kが同僚から教えてもらっていたからだ。
営業時間は16時までなので、ギリギリ大丈夫だろうと行ってみると…すでにお店がシャッターを下ろしている!? もしかして、お菓子が売り切れになって閉めちゃったのかも…などと想像しつつ、ワタシは次の目的地へ向かうのだった。

横瀬川沿いに立つ「不動の湯」。
「不動の湯」の近くの馬頭観音。

続いて向かったのは「八坂神社」。次の目的地、というほどの距離ではなく、こちらの神社は埼玉県道82号 長瀞玉淀自然公園線を挟んで「坂本屋菓子店」の反対側だった。

実はこちらの「八坂神社」、ワタシたちが秩父を訪れた際に何度か見かけていて、そのたびに「分かれ道にあるなんて面白いなぁ」と気になっていた。今回は近くの「不動の湯」に泊まることになったので、せっかくだから行ってみようと考えたのだ。

【八坂神社】基本情報

八坂神社
■住所:埼玉県秩父市山田159-1
■主祭神:素盞嗚尊
■電話:
0494-23-6460(宮司宅)

埼玉県道82号 長瀞玉淀自然公園線の分かれ道に鎮座する神社。かつて、このあたりの村で疫病が蔓延した際、これを鎮めるために京都の八坂神社を勧請したのが始まりといわれる。このとき、疫病を村の外へ追いやる意味を込めて、鎮座地として村はずれのわかされ(分岐点)が選ばれた。以後、夏には例大祭が行われ、このときに打ち上げられる花火は「木戸原の花火」と呼ばれた。入母屋造りの社殿には、白木の本殿と大正時代に作られた神輿が納められている。

「八坂神社」は「Y」の字の分かれ目にある、こぢんまりとした神社だ。しかし、周囲に高い建物がなく、そばの交差点を通るときに「なんとも存在感がある神社だなぁ」といつも思っていた。

手水舎。水は出ておらず。
境内に並ぶ祠。

境内には秩父織物の功労者であり、大正から昭和時代にかけて高篠村(現在の秩父市)の村長を務めた水野栂蔵の像が立っている。
こちらの像も道端でなかなかの存在感を放っているのだが、今回初めてその存在に気づいた。

水野栂蔵の像。

「八坂神社」でワタシが興味を惹かれたのは、向拝にある彫刻だ。獅子や鳳凰は他の神社でもよく見かけるが、天狗と牛若丸と思われる彫刻は珍しい。こちらを見られただけで「坂本屋菓子店」が閉まっていたショックもすっかり忘れ、ワタシはちょっとばかり興奮気味になっていた。

鳳凰の彫刻。
天狗と牛若丸と思われる彫刻。
獅子の彫刻。

県道を1本入ると、かつての人々の名残がちらほらと…

「八坂神社」でお詣りしたあと、ワタシは県道82号を南下。「山田」交差点までたどり着いたところで埼玉県道11号 熊谷小川秩父線をそのまま南下せず、1本西側の細い道を選ぶ。こういうとき、車が少なくて歩きやすそうな道に入りがちなのがワタシである。

住宅街を抜けていくこちらの道は抜け道として使う車も少ないようで、ワタシはのんびりと散歩。
しばらく歩いたところで道端に立つ石塔やお地蔵さま、布袋さまを見つける。2つある石碑の片方に刻まれた「六十六部供養塔」の文字ははっきりと読めたのだが、もう片方はどうやら「甲子待」と刻まれた甲子塔のようだ。

六十六部供養塔とは僧侶や修験者、行者などが写経した法華経66部を全国66か国の寺社に納経。その遍歴を無事に終わらせたことを記念して建てられた石塔だ。六十六部廻国は室町時代以降に盛んになり、こういった塔は中世から江戸時代にかけて建てられたという。

また、甲子塔は十二支の子の日、または甲子の日に大黒さまを祀る甲子講(信者の集まり)によって建立。甲子待とは十干と十二支のそれぞれの最初にあたる甲と子を組み合わせた甲子の日に催す行事のことを指し、この日は特に縁起がよいとされた。

お地蔵さまの前で手を合わせたあと、もう少し南下すると、分かれ道にまたもや古い石塔が立っていた。文字はかなり読みづらかったが、どうやら「巳待塔」と彫られているようだ。

巳待塔とは干支の己巳の日、または十二支の巳の日に弁天さまを祀って豊作や家内安全などを祈念する巳待講によって建立されたものだ。

…などと石塔について解説しているが、これらがどのような塔なのかは記事を書く際に調べて知ったことだ。散歩をしているときは「なんとも古そうな石碑が多い道だなぁ」という印象だった。

お地蔵さまや布袋さま、六十六部供養塔。
「甲子待」と刻まれていると思われる石碑。
こちらは分かれ道にあった巳待塔。

やがて道の先に神社と思しき建物が見えてくる。こちらが次の目的地としていた「恒持神社」のようだ。
道が県道11号に合流するあたりには古いお堂が立っていた。お堂の中の石仏は肩かけをまとい、今も地元の方々が大切にしていることがわかる。

県道11号沿いのお堂。
お堂には石仏や馬頭観音が並ぶ。

「山田」交差点から「恒持神社」までは歩いて15分ほど。何気なく足を踏み入れた道だったが、ここまでいろいろと見どころがあるとは思わず、ワタシはこの段階でけっこうな満足具合だった。

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盛大な「山田の春祭り」が行われる「恒持神社」

続いてワタシが訪れた「恒持神社」は県道11号沿いにある。参道の入り口に立派な鳥居が立ち、その手前には「村社 恒持神社」と刻まれた石標もあった。また、境内の南側には石でできた鳥居もあり、こちらの鳥居は「恒持神社」の拝殿の正面に位置している。

県道11号沿いの鳥居。
県道11号沿いに立つ石標。
境内南側の鳥居。
石の鳥居のそばの看板。

【恒持神社】基本情報

恒持つねもち神社
■住所:埼玉県秩父市山田1606
■主祭神:日本武尊・罔象女命
 ・恒望王・大山祇命
■電話:
0494-23-6460(宮司宅)

秩父地方の東方にそびえる高斯野(高篠)山に神沢という池があり、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征のおりにこの泉で禊をし、神祗を祭祀。日本武尊の死後、里の人々が神沢にその霊を祀り、高斯野社としたのが恒持神社の始まりとされる。平安時代の大同元年(806)、関東平氏の祖とされる高望王の弟である恒望王が武蔵権守に任ぜられた際、周囲の15か村を恒望荘とし、高斯野社を現在の地あたりに移して恒望荘の総社と定める。恒望王の死後、その霊を高斯野社に祀り、このときに社号を恒持明神に改称。明治5年(1872)に村社となり、周囲の神社を合祀。毎年3月の第2日曜日に開催される「山田の春祭り」では3台の山車が地域を巡行する。

こちらの「恒持神社」はかなり立派な神社で、境内には石碑も点在。また、広い境内の一部は公園になっていて、子どもたちが楽しげな声を上げながら遊んでいた。

拝殿前の手水舎。
拝殿近くの神楽殿。
「恒持神社」の由来が記された石碑。

「恒持神社」は拝殿の奥に3つの社があるのが大きな特徴だ。中央の本殿には主祭神の日本武尊、罔象女命、恒望王、大山祇命が祀られているほか、向かって左側には稲荷神社、反対の右側には織姫神社と天満天神社がある。本殿の左右にあるこれらの神社は明治時代に合祀されたものだ。
左右の神社の前はガラス戸になっているので、うっすらとだが合祀された社殿が見えた。

本殿左側の稲荷神社。
稲荷神社そばに置かれていた布袋さま。
本殿右側の織姫神社と天満天神社。

また、織姫神社と天満天神社のそばには、同じく明治時代に合祀された諏訪神社もある。こちらのお堂の中に鎮座する社殿は秩父市指定有形文化財とのことだ。

本殿奥の諏訪神社。
諏訪神社のそばに立つ弁財天の石碑。
諏訪神社の近くにあった五十塔。

今回、散歩の目的地として「恒持神社」を選んだのは「山田の春祭り」のポスターを見かけたから。
お祭りは3月上旬なのでもちろん見られないが、盛大なお祭りが催される「恒持神社」とはどんな神社なのだろう…と思ったわけだ。

「山田の春祭り」の山車の案内板。
「山田の春祭り」のポスター。

「恒持神社」は境内の公園で子どもたちが遊んでいるだけでなく、近所の方と思しきおばあさんが境内を掃除していて、今も地域の方々に親しまれている神社ということがよくわかった。
そんな「恒持神社」の境内を見知らぬおっさんが写真を撮影しながらウロチョロしていたので、もしかしたら怪しまれたかもしれないが。

ただ、実はワタシ、県道11号は秩父札所巡りや宝登山に行く際に何度か通っていて、「恒持神社」の前も行き来しているはずなのだが…これほど大きな神社にもかかわらず、今までまったく気づかなかった。
「恒持神社」の拝殿は県道からやや奥まったところにあるから見過ごすのも仕方ないとはいえ、秩父はやっぱり見どころが多いなぁ…と今回の散策で改めて思い知る。というか、秩父は気の向くまま歩いても面白い地域だと実感した。

なお、「八坂神社」「恒持神社」ともに近くに車を停められそうなスペースはあるが、参拝者が車を停めていいのか不明なので駐車場の情報は載せないでおいた。

【秩父市山田 散策マップ】

ロウバイよ、我々は帰ってきた! in 埼玉②【霊泉旅館 不動の湯】」へ

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(お出かけ日:2026年2月15日~2月16日)
※各情報は2026年3月時点のものです。

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